孝行心の強かった申師任堂
1522年、18歳になった申師任堂は、李元秀(イ・ウォンス)と結婚した。孝行心が強かった彼女は、結婚しても実家のことがとても気がかりだった。父は彼女が嫁ぐとすぐに亡くなり、母は1人寂しく暮らしていたのだ。
この時代は女が一度嫁入りしたら、実家を訪ねることが難しく、彼女が帰省できたのは、結婚して数年経った後だった。久しぶりに見る母は、とても老いて小さく見えた。申師任堂はそんな母を見ると、懐かしさと悲しさでいっぱいになった。
母娘は短い時間に語り明かした。しかし、再会の楽しみは別れの悲しみを助長させた。申師任堂はそうした感情を「母を思いて」という詩にこめた。彼女は実の母にできなかった分まで、義理の母に孝行心を抱き大切にした。
申師任堂と李元秀の夫婦には4男3女の子供たちがいた。彼女は両親がそうであったように子育てに人一倍情熱を傾けていく。(ページ3に続く)
申師任堂(シンサイムダン)!イ・ヨンエが『師任堂、色の日記』で演じた女性