トウガラシが入ってきた経緯
トウガラシが入ってくるまでキムチは白かった。当時の漬物は「沈菜(チムチェ)」という名称で、単に野菜を塩漬けにしただけのもの。色は白く辛いものではなかったのである。
1700年あたりから漬物にトウガラシを頻繁に使うようになり、白くて辛くない「チムチェ」から赤くて辛い「キムチ」に変化していった。
ここでトウガラシが朝鮮半島に入ってきた経緯を見てみよう。
説は二つある。原産国はメキシコだ。
一つ目。1492年にコロンブスがアメリカ大陸を発見した帰りにヨーロッパに持ち込み、100年くらいかかって東アジアに伝わったとされている。
二つ目。1592年の壬辰倭乱(イムジンウェラン/文禄・慶長の役)のときに日本から持ち込まれたという説である。
いずれにしても、朝鮮半島でトウガラシが使われるようになったのは17世紀以降であり、本格的に食材として活用されるようになったのは18世紀からだ。(ページ3に続く)
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