NHKの総合テレビで放送の『オクニョ 運命の女(ひと)』には、実在の人物と架空の人物が混在していますが、実在の人物には悪人が多いようです。その中でも特に悪いのが文定(ムンジョン)王后だと言えるでしょう。
国王を毒殺?
文定(ムンジョン)王后は11代王・中宗(チュンジョン)の三番目の正室ですが、まさに希代の悪女です。
彼女は自分の息子を王にするために、中宗の二番目の正室が産んだ世子(セジャ/国王の正式な後継者)を何度も殺そうとします。しまいには、世子の寝室に火を放って焼死させようとしました。
それなのに、世子は継母である文定王后を怨んだりしません。むしろ、「母が自分を殺そうとするなら、儒教の教えにのっとって、孝を尽くすためにこのまま死んでみせる」と言って、火事になっても逃げないのです。
確かに親孝行なのですが、度を越えすぎています。やはり、放火されたらすぐに逃げなくてはいけません。
中宗は1544年に56歳で亡くなり、世子が12代王・仁宗(インジョン)として即位します。
名君になる素質は十分だったのですが、仁宗は在位わずか8カ月で急死します。継母の文定王后に毒殺された可能性が高いと見られています。
実際に、文定王后を訪ねた際に餅を食べたのですが、その直後から重病になって命を落としています。
朝鮮王朝では王が毒殺されたという疑惑がかなり多いのですが、仁宗の場合が一番可能性が高いといわれています。仁宗の殺害を何度も狙った文定王后が最後に奥の手を使ったということが十分に考えられます。
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文定(ムンジョン)王后と鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)が仕組んだ悪行
中宗(チュンジョン)はなぜ文定(ムンジョン)王后の悪行を止めなかった?