光海君の斬首を執拗に主張した仁穆王后!

同じ空の下で生きられない

綾陽君は仁穆王后の懇願を受け入れるわけにはいかなかった。クーデターで追放したとはいえ、先の王を斬首できるわけがない。
仁穆王后は綾陽君に言った。
「即位して私の意をくんでくれるのならば、私のために復讐するのが孝行というものではないですか」
「このように部下たちがいるのに、私がどうやって思いどおりに振る舞うことができるでしょうか」
「なぜ、部下たちの指示に従う必要があるのですか。父母の仇とは同じ空の下で生きることはできないし、兄弟の仇とは同じ国で生きることはできないのです。逆魁が自分で母子の道理を破り、私にはかならず晴らさなければならない怨みがあり、これだけは絶対に譲ることができない」




仁穆王后は強硬だった。彼女は、執拗に光海君の斬首を主張した。しかし、廃位にした王をさらし首にすることだけは、綾陽君も絶対にできなかった。
結局、綾陽君は仁祖として即位した後も、光海君の斬首を認めなかった。仁穆王后は積年の怨みを完全な形で晴らすことはできなかったのだ。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

光海君は廃位になるほどの悪政をしたのか?

知られざる光海君(クァンヘグン)の実像1「光海君の即位」

光海君(クァンヘグン)と臨海君(イメグン)!兄弟同士の骨肉の争い

光海君(クァンヘグン)への恨みを晴らした仁祖(インジョ)の復讐劇!

光海君(クァンヘグン)を廃位にした仁祖(インジョ)に正当性はあるのか

固定ページ:
1 2

3

関連記事

ピックアップ記事

必読!「悪女たちの朝鮮王朝」

本サイトには、「悪女」というジャンルの中に「悪女たちの朝鮮王朝」というコーナーがあります。ここでは、朝鮮王朝の歴史の中で政治的に暗躍した女性たちを取り上げています。
朝鮮王朝は儒教を国教にしていた関係で、社会的に男尊女卑の風潮が強かったのです。身分的には苦しい境遇に置かれた女性たちですが、その中から、自らの才覚で成り上がっていった人もいます。彼女たちは、肩書社会に生きる男性を尻目に奔放に生きていきましたが、根っからの悪女もいれば、悪女に仕向けられた女性もいました。
「悪女たちの朝鮮王朝」のコーナーでは、そんな彼女たちの物語を展開しています。

もっと韓国時代劇が面白くなる!

韓国時代劇によく登場する人物といえば、朝鮮王朝の国王であった中宗、光海君、仁祖、粛宗、英祖、正祖を中心にして、王妃、側室、王子、王女、女官などです。本サイトでは、ドラマに登場する人物をよく取り上げています。

ページ上部へ戻る