光海君と仁祖のライバル物語3「怨恨」

 

光海君は「明は滅亡して後金の時代になる」と予測していた。「明に肩入れするとうちの国もやられてしまう」ということで、やむを得ず援軍を出すときは最小限にして、後金に対して「事情があって明に援軍を出していますが、そちらに逆らう気はないですから」と言った。二股外交という巧みな外交を展開した結果、後金は朝鮮半島に攻めてこなかった。

写真=韓国MBC『華政』公式サイトより

個人的な怨み

外交だけではない。光海君は、大同法という庶民の減税につながる税制を都のほうからだんだんと広めていった。
彼の統治は、今から見ても優秀な政治だった。しかし、庶民の減税につながる税制は、大地主からたくさん取ることを意味していて、特権階級の反感を買ってしまう。その他にも、仁穆王后を幽閉し、永昌大君や臨海君を殺していることが非難された。
個人的な怨みを持っていたのが綾陽君(ヌンヤングン)だ。宣祖の孫で、光海君の甥である。
この綾陽君の弟が光海君によって殺害されている。その理由は、あまりにも頭が良すぎて、「こいつが生きていたらやばい」と警戒されたからだ。
綾陽君には個人的な怨みが強かった。




1623年、綾陽君は光海君に怨みを持っている人、大同法による減税政策で不利益を被った特権階級の人たちを集めて王宮を襲った。このクーデターは成功し、光海君は逃げてしまった。
(ページ2に続く)

光海君と仁祖のライバル物語1「即位」

光海君と仁祖のライバル物語2「外交」

光海君と仁祖のライバル物語4「大義名分」

光海君(クァンヘグン)!暴君の汚名から名君へと評価が一変した国王

光海君(クァンヘグン)と臨海君(イメグン)!兄弟同士の骨肉の争い

固定ページ:

1

2

関連記事

ピックアップ記事

必読!「悪女たちの朝鮮王朝」

本サイトには、「悪女」というジャンルの中に「悪女たちの朝鮮王朝」というコーナーがあります。ここでは、朝鮮王朝の歴史の中で政治的に暗躍した女性たちを取り上げています。
朝鮮王朝は儒教を国教にしていた関係で、社会的に男尊女卑の風潮が強かったのです。身分的には苦しい境遇に置かれた女性たちですが、その中から、自らの才覚で成り上がっていった人もいます。彼女たちは、肩書社会に生きる男性を尻目に奔放に生きていきましたが、根っからの悪女もいれば、悪女に仕向けられた女性もいました。
「悪女たちの朝鮮王朝」のコーナーでは、そんな彼女たちの物語を展開しています。

もっと韓国時代劇が面白くなる!

韓国時代劇によく登場する人物といえば、朝鮮王朝の国王であった中宗、光海君、仁祖、粛宗、英祖、正祖を中心にして、王妃、側室、王子、王女、女官などです。本サイトでは、ドラマに登場する人物をよく取り上げています。

ページ上部へ戻る