『王女の男』に登場する敬恵(キョンヘ)王女の生涯/中編

 

世祖(セジョ)は、敬恵王女の動向を気にした。彼女は「国で一番の美女」という評価も受けていて、庶民の間で人気が高かった。結局、世祖は、病床にある敬恵王女を見舞うという名目を付けて鄭悰(チョン・ジョン)を配流地から戻すことにした。一旦は、敬恵王女の無言の抵抗も功を奏したかに見えたのだが……。

H9guatazaXuJPVk1499731072_1499731184

 

夫を心から愛した

世祖の側近たちは、鄭悰の罪を解いたことに猛反対した。その声を無視することもできず、世祖は再び鄭悰を配流した。
しかし、今度は寧月よりはるかに都に近い水原(スウォン)だった。世祖なりに、多少は敬恵王女に便宜をはかろうという気持ちがあったのだ。




ここで、敬恵王女は驚くべき行動に出た。なんと、夫に従って自ら配流地に赴(おもむ)こうとしたのである。よほどの重罪でないかぎり流罪者に家族が付いていくことが許される場合もあるが、王族の女性がそんな境遇に自らを置くというのは異例なことであった。それほど敬恵王女が夫を愛していたということであろうか。
ドラマ『王女の男』では、敬恵王女も最初は夫を拒絶していたが、やがて夫の深い愛を知り、徐々に夫に尽くすようになった。現実の世界でも、敬恵王女は夫を心から愛する優しい妻であったに違いない。(ページ2に続く)

『王女の男』に登場する敬恵(キョンヘ)王女の生涯/前編

『王女の男』に登場する敬恵(キョンヘ)王女の生涯/後編

端宗(タンジョン)/朝鮮王朝おどろき国王列伝8

世祖(セジョ)/朝鮮王朝おどろき国王列伝9

文宗(ムンジョン)の不覚!朝鮮王朝の重大な事件簿8

固定ページ:

1

2 3

関連記事

ピックアップ記事

必読!「悪女たちの朝鮮王朝」

本サイトには、「悪女」というジャンルの中に「悪女たちの朝鮮王朝」というコーナーがあります。ここでは、朝鮮王朝の歴史の中で政治的に暗躍した女性たちを取り上げています。
朝鮮王朝は儒教を国教にしていた関係で、社会的に男尊女卑の風潮が強かったのです。身分的には苦しい境遇に置かれた女性たちですが、その中から、自らの才覚で成り上がっていった人もいます。彼女たちは、肩書社会に生きる男性を尻目に奔放に生きていきましたが、根っからの悪女もいれば、悪女に仕向けられた女性もいました。
「悪女たちの朝鮮王朝」のコーナーでは、そんな彼女たちの物語を展開しています。

もっと韓国時代劇が面白くなる!

韓国時代劇によく登場する人物といえば、朝鮮王朝の国王であった中宗、光海君、仁祖、粛宗、英祖、正祖を中心にして、王妃、側室、王子、王女、女官などです。本サイトでは、ドラマに登場する人物をよく取り上げています。

ページ上部へ戻る