太祖(テジョ/李成桂〔イ・ソンゲ〕)/朝鮮王朝おどろき国王列伝13

 

第13回 朝鮮王朝を建国した創始者

李成桂(イ・ソンゲ)の先祖は、全州(チョンジュ/現在は全羅〔チョルラ〕北道の道庁所在地)の豪族だった。しかし、李成桂は全州からはるかに遠い朝鮮半島北東部で生まれている。その理由は、李成桂の4代前の先祖が、妓生をめぐって地元の役人と大ゲンカをして故郷を追われたからだった。




3本の立派な柱

李成桂の境遇は流浪の民にも似ていたが、彼は幼い頃から聡明で度胸があった。特に弓の扱いに長けていた。
成人すると、高麗王朝の武将として活躍。倭寇の撃退で戦功を次々にあげて一気に頭角を現した。
ある日、李成桂は妻の実家を訪ねた。その帰り道に日が暮れてしまい、小さな寺で一夜を過ごした。
そこで不思議な夢を見る。
夢の中で李成桂は、崩れかけた建物にあった3本の立派な柱を背負っていた。
「なぜ、柱なのか?」




気になった李成桂は、無学大師という高名な僧に話を聞いた。すると、無学大師はこう言った。
「崩れかけた家は高麗をさします。柱を三本背負ったということは、そのときの姿は“王”の字に似ていたのでは……。あなたは王になる夢を見たのです」
この言葉は、後の李成桂の運命を大きく動かすことになる。
時は流れ、1388年、中国大陸で台頭してきた明(みん)は高麗を何度も威嚇してきた。頭を痛めた高麗王は、ついに明との戦いを決意した。
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