英祖の後を継いだ名君
英祖が歴代王の中で突出していたのは、その在位期間である。在位52年というのは文句なしの史上1位だった。
80歳を過ぎて生きたのも英祖しかいない。
これだけの長寿を誇ったのだから、やはり丈夫なからだに産んでくれた母に感謝すべきだろう。
彼は在位がただ長いだけでなく、各派閥から公平に人材を登用する政策で成果をあげた名君でもあった。
だが、世継ぎの息子を米びつに閉じ込めて餓死させるという汚点も残している。その悲劇があったために、英祖の次を継いだのが孫の正祖(チョンジョ)になったのである。言わずと知れた時代劇『イ・サン』の主人公である。
「朝鮮王朝の歴代王の中で、ハングルを創製した世宗(セジョン)に次ぐ名君といえば誰か?」
今の韓国でこういう質問をすれば、圧倒的に票数を集めるのが正祖だろう。人格の高潔さと学識の深さで正祖にまさる王はいないのではないか、と思えるほど彼は評価が高いのである。(ページ4に続く)
張禧嬪(チャン・ヒビン)を寵愛した粛宗(スクチョン)!朝鮮王朝全史19
『イ・サン』が描いた英祖(ヨンジョ)と思悼世子(サドセジャ)の悲劇とは?