甥の端宗(タンジョン)から王位を奪った世祖(セジョ)の悲劇とは?

朝鮮王朝最高の聖君と言われた4代王・世宗(セジョン)の二男に生まれた世祖(セジョ)。彼は7代王になる過程で、甥から王位を奪って死罪にして、弟も殺している。非道な世祖だが、今度は自分が晩年に悲劇に見舞われた。

非道だが有能であった

甥の端宗(タンジョン)から王位を奪って即位した7代王の世祖。彼にも後ろめたい気持ちがあったようで、自分がおかした非道をつぐなうかのように、世祖は懸命に国事に励んだ。
王としての世祖の功績は、朝鮮王朝の基本法典である「経国大典」の編纂を始めたことと、王権を徹底的に強化したことだ。このように、世祖は権力の中央集権化を進める一方、庶民の生活の安定にも力を注いだ。




確かに、政治的には有能な王であった。幼い端宗が政治を仕切るより、さまざまな面で成果が多かったと思われる。
とはいえ、甥や弟を殺したことの免罪になるわけではない。
しかも、礼節と名分を重んじる儒教を国教とする朝鮮王朝において、世祖は本来、正統的な王とは言えない存在だった。
もちろん、存命中には彼を非難する声はかき消されてしまったが……。
そんな世祖は晩年、心の安定を求めて仏教に傾倒していった。そうした心境の裏には、彼の周りに起きた不幸な出来事が関係している。特に、長男の懿敬(ウィギョン)の死が痛手だった。
この懿敬は、世祖の即位と同時に17歳で世子(セジャ/王の正式な後継者)に指名された。
ところが、その2年後に19歳で謎の死をとげてしまった(ページ2に続く)。

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