第5回 名君として知られる有名な王
朝鮮王朝22代王・正祖(チョンジョ)は、ドラマ『イ・サン』や映画『王の涙-イ・サンの決断-』の主人公として有名になった王だ。王になる前から命を危険にさらされていたが、いったい何故なのだろうか。
父親は思悼世子
祘(サン/正祖の名前)の父親は、朝鮮王朝21代王・英祖(ヨンジョ)の息子である荘献(チャンホン)だ。しかし、彼は政敵や身内に陥れられてしまい、米びつに閉じ込められてしまう。父親を何とか助け出そうとする祘は、英祖に「父上を助けてください」と言うが、その願いが叶うことはなかった。
結果的に、荘献は8日目に米びつの中で餓死しているのが見つかったが、いつ亡くなったのかはわからない。
その後、祘は英祖から英才教育を受けるが、そのことに恐怖を感じた政敵が送り込んできた刺客に命を狙われるが、祘は「服を着替えずに寝る」などの機転を利かせて危機を逃れた。
1776年に英祖が亡くなったことで、祘が22代王・正祖として即位する。
正祖は、即位してすぐに父親を陥れた者たちを絶対に許さないという意志を示した。(ページ2に続く)