朝鮮王朝時代の儒教とは何か

 

1392年から1910年まで続いた朝鮮王朝では、国教として儒教が絶大な影響力を誇った。この場合の儒教というのは、具体的に言うと朱子学であった。この朱子学の倫理観が朝鮮王朝の価値観を決定づけていたと言っても過言ではない。

体制維持の根拠

朱子学は、中国の宋の時代に興った儒教の一派で、朱子(1130~1200年)によって集大成された。
それまで教訓的な説話が多かった儒教の世界に哲学的な深みを持ち込んだのが朱子学であり、儒教の理論化に大きく貢献している。
この朱子学が朝鮮半島には高麗王朝の後期に伝わっており、支配層の間で徐々に受け入れられるようになっていた。
朝鮮王朝は開国当初からこの朱子学に注目し、人々を統治する際の精神的支柱として活用した。




特に、政治と制度を実際に取り仕切った両班(ヤンバン/朝鮮王朝の貴族階級)にとって、高尚な人間が民を治めることを認める朱子学は重宝できた。いわば、体制維持の根拠を与えてくれる「お墨付き」でもあったのだ。
(ページ2に続く)

イ・ソン(思悼世子〔サドセジャ〕)が父に出した反省文は逆効果になった!

トンイ(淑嬪・崔氏)が王宮入りした経緯が怪しい!

光海君と仁祖!統治能力の違いは?

『七日の王妃』の端敬王后はなぜ七日で廃妃になった?

「英祖(ヨンジョ)は粛宗の子供ではない」という告発がなぜ起こった?

固定ページ:

1

2 3

関連記事

ピックアップ記事

必読!「悪女たちの朝鮮王朝」

本サイトには、「悪女」というジャンルの中に「悪女たちの朝鮮王朝」というコーナーがあります。ここでは、朝鮮王朝の歴史の中で政治的に暗躍した女性たちを取り上げています。
朝鮮王朝は儒教を国教にしていた関係で、社会的に男尊女卑の風潮が強かったのです。身分的には苦しい境遇に置かれた女性たちですが、その中から、自らの才覚で成り上がっていった人もいます。彼女たちは、肩書社会に生きる男性を尻目に奔放に生きていきましたが、根っからの悪女もいれば、悪女に仕向けられた女性もいました。
「悪女たちの朝鮮王朝」のコーナーでは、そんな彼女たちの物語を展開しています。

もっと韓国時代劇が面白くなる!

韓国時代劇によく登場する人物といえば、朝鮮王朝の国王であった中宗、光海君、仁祖、粛宗、英祖、正祖を中心にして、王妃、側室、王子、王女、女官などです。本サイトでは、ドラマに登場する人物をよく取り上げています。

ページ上部へ戻る