チャングムが象徴する医女の制度はどのように誕生したのか

 

日本に韓国時代劇が定着するきっかけになった作品といえば、それはやはり『宮廷女官 チャングムの誓い』である。このドラマの中で主人公のチャングム(長今)は医女になっていた。果たして、朝鮮王朝時代の医女の制度は、どのように誕生したのだろうか。




チャングムの存在感

『宮廷女官 チャングムの誓い』の中で主人公のチャングムは、当初は宮廷料理人として腕を大いに振るっていたが、陰謀に巻き込まれて済州島(チェジュド)に島流しにあい、不遇な日々を過ごす。
しかし、済州島で医術を学んで新たに生きる勇気を取り戻し、再び宮廷に帰って王の主治医まで登りつめた。
物語は全52話だが、前半と後半でチャングムの職種をガラリと変え、料理と医療という人間の生に最も関わる題材をふんだんに盛り込んだ点は見事だった。
また、どんな困難にも負けず必死に自分の道を切り開いていくチャングムの姿は、輝きに満ちていて魅力的だった。
そんな彼女の前にいつも立ちはだかるのが、身分の違いだった。
なにしろ、朝鮮王朝時代の社会は、格式と序列を重んじる儒教的な身分制度によって成り立っていた。




特に意外だったのは、当時の医女の身分が非常に低かったことだ。
それは、たとえ王の主治医であっても変わらなかった。
なぜ朝鮮王朝では医女の身分が低かったのか。
(ページ2に続く)

チャングム!ドラマで有名になった医女

中宗(チュンジョン)の最期まで付き添ったチャングム!

中宗(チュンジョン)はどのようにして即位したのか

『七日の王妃』歴史解説!燕山君(ヨンサングン)と中宗(チュンジョン)と端敬(タン ギョン)王后の運命

中宗(チュンジョン)はなぜ文定(ムンジョン)王后の悪行を止めなかった?

固定ページ:

1

2 3

関連記事

ピックアップ記事

必読!「悪女たちの朝鮮王朝」

本サイトには、「悪女」というジャンルの中に「悪女たちの朝鮮王朝」というコーナーがあります。ここでは、朝鮮王朝の歴史の中で政治的に暗躍した女性たちを取り上げています。
朝鮮王朝は儒教を国教にしていた関係で、社会的に男尊女卑の風潮が強かったのです。身分的には苦しい境遇に置かれた女性たちですが、その中から、自らの才覚で成り上がっていった人もいます。彼女たちは、肩書社会に生きる男性を尻目に奔放に生きていきましたが、根っからの悪女もいれば、悪女に仕向けられた女性もいました。
「悪女たちの朝鮮王朝」のコーナーでは、そんな彼女たちの物語を展開しています。

もっと韓国時代劇が面白くなる!

韓国時代劇によく登場する人物といえば、朝鮮王朝の国王であった中宗、光海君、仁祖、粛宗、英祖、正祖を中心にして、王妃、側室、王子、王女、女官などです。本サイトでは、ドラマに登場する人物をよく取り上げています。

ページ上部へ戻る