朝鮮王朝時代の儒教とは何か

紙幣の肖像画は儒教の大学者

朱子学が全土に普及するうえで大きかったのは、科挙の試験科目に朱子学の教義を問うものが多かったことだ。
官職を求める利発な若者たちがこぞって朱子学を熱心に学ぶようになり、その影響力は飛躍的に高まった。
ただ、朱子学一辺倒の風潮は偏狭な人間を数多く世に出してしまった。非常に理屈っぽい学問をみんなが一斉に学んだがゆえに、他の多様な学問を許さないような空気が生まれるに至ったのだ。
朝鮮王朝の病巣とも言われた「党争」にしても、自己の主張に凝り固まった一派が他の流派の存在を否定し続けるところから深刻さを増していった。朱子学が、寛容でない政治闘争を生み続けてしまったことも事実なのである。




なお、現在の韓国で使われている紙幣の千ウォン札と5千ウォン札の肖像画は、ともに朝鮮王朝時代の儒教の大学者である。それほど、儒教を究めた人は朝鮮半島で偉人とされたのである。
(ページ3に続く)

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