なるほど韓国26「今もコリアンタイムが通用する?」

 

1990年代の後半、ソウルに取材に行ったときは、ロッテホテルのロビーでよく人と待ち合わせをした。そのとき、来る人がほとんど30分くらい遅れてくる。理由はきまって「渋滞がひどくて」。私(康熙奉〔カン・ヒボン〕)は笑って相手を迎えたが、腹の中はイライラしていた。

遅れる理由はかならず「渋滞」

遅れる理由はかならず「渋滞」

理由はかならず「渋滞」

当時、ソウルの渋滞は名物だった。道路は混んでいるのが当たり前であった。
そうであるならば、待ち合わせをしている以上、渋滞を見越して早めに出掛けるのが常識であろう。それなのに、いつもどおりにのんびり出掛けて、時間に遅れたら渋滞を理由にしている。
「なるほど。これがコリアンタイムか」
私もあきれるしかなかった。
韓国の書き手に原稿を依頼したときも、イライラすることが多かった。
締め切りを守らない人が多すぎるのだ。催促の連絡をすると、プツリと行方不明になる。




何度も催促して、ようやく連絡が取れると、「いやあ、伯父さんが亡くなってねえ」と古典的な言い訳が返ってくる。
「締め切りを守るという概念が希薄なんだな」
そう考えるしかなかった。
(ページ2に続く)

なるほど韓国1「韓国には老舗がほとんどない」

なるほど韓国2「食べ残す韓国、残さない日本」

なるほど韓国3「死罪の方法もこんなに違う」

なるほど韓国24「されど韓国の女性は強し!」

なるほど韓国25「日韓の新聞を読み比べてみれば」

なるほど韓国27「並ぶのは時間の無駄という考え方」

固定ページ:

1

2 3 4

関連記事

ピックアップ記事

必読!「悪女たちの朝鮮王朝」

本サイトには、「悪女」というジャンルの中に「悪女たちの朝鮮王朝」というコーナーがあります。ここでは、朝鮮王朝の歴史の中で政治的に暗躍した女性たちを取り上げています。
朝鮮王朝は儒教を国教にしていた関係で、社会的に男尊女卑の風潮が強かったのです。身分的には苦しい境遇に置かれた女性たちですが、その中から、自らの才覚で成り上がっていった人もいます。彼女たちは、肩書社会に生きる男性を尻目に奔放に生きていきましたが、根っからの悪女もいれば、悪女に仕向けられた女性もいました。
「悪女たちの朝鮮王朝」のコーナーでは、そんな彼女たちの物語を展開しています。

もっと韓国時代劇が面白くなる!

韓国時代劇によく登場する人物といえば、朝鮮王朝の国王であった中宗、光海君、仁祖、粛宗、英祖、正祖を中心にして、王妃、側室、王子、王女、女官などです。本サイトでは、ドラマに登場する人物をよく取り上げています。

ページ上部へ戻る