世祖(セジョ)/朝鮮王朝おどろき国王列伝9

第9回 非道でありながら業績が多い王

4代王・世宗(セジョン)の二男が首陽(スヤン)大君だった。彼は若いときから武に長(た)けていて兵書に明るく、学問にも精通していた。二男ではなく長男に生まれたら、朝鮮王朝の歴史でもっとも悲劇的な事件を起こした張本人にならずとも、りっぱな王になっていたと思われる。

KBS »õ ¼ö¸ñ µå¶ó¸¶ '°øÁÖÀÇ ³²ÀÚ'

野心が強すぎた男

首陽大君の兄は学問に没頭した長男・文宗(ムンジョン)であり、弟は優れた芸術家だった三男・安平(アンピョン)大君だったが、首陽大君が兄弟と違ったのは、野心が強すぎたことだった。
彼は「病弱な兄より文武を備えた自分こそ後継者にふさわしい」といつも思っていた。特に、自分の武人としての資質を周囲に見せようとした。体格以上に大きくつくった服を着て、いつも風を切るように歩いた。




寒い冬に狩りに出るときも、1人で薄着に徹した。そんなときは、わざと動きが鈍い馬を選んで乗った。馬が踏み外して転んだら、すらりと飛び降りる場面を演出したいためであった。
しかし、世宗の長男・文宗への信頼に揺るぎはなかった。(ページ2に続く)

端宗(タンジョン)/朝鮮王朝おどろき国王列伝8

世祖(セジョ)の非道!朝鮮王朝の重大な事件簿2

固定ページ:

1

2 3

関連記事

ピックアップ記事

必読!「悪女たちの朝鮮王朝」

本サイトには、「悪女」というジャンルの中に「悪女たちの朝鮮王朝」というコーナーがあります。ここでは、朝鮮王朝の歴史の中で政治的に暗躍した女性たちを取り上げています。
朝鮮王朝は儒教を国教にしていた関係で、社会的に男尊女卑の風潮が強かったのです。身分的には苦しい境遇に置かれた女性たちですが、その中から、自らの才覚で成り上がっていった人もいます。彼女たちは、肩書社会に生きる男性を尻目に奔放に生きていきましたが、根っからの悪女もいれば、悪女に仕向けられた女性もいました。
「悪女たちの朝鮮王朝」のコーナーでは、そんな彼女たちの物語を展開しています。

もっと韓国時代劇が面白くなる!

韓国時代劇によく登場する人物といえば、朝鮮王朝の国王であった中宗、光海君、仁祖、粛宗、英祖、正祖を中心にして、王妃、側室、王子、王女、女官などです。本サイトでは、ドラマに登場する人物をよく取り上げています。

ページ上部へ戻る