『七日の王妃』に登場する端敬(タンギョン)王后の運命!

高官にさからえなかった国王

燕山君の正妻も廃妃となって実家に帰された。その兄にあたる慎守勤(シン・スグン)は燕山君の側近であったが、クーデターの実行時に真っ先に殺害されている。
ここで糾弾されたのが、新しい王となった中宗の正妻である。その慎氏は慎守勤の娘なのである。
クーデターを成功させた高官たちは、慎守勤と娘の関係を問題にした。結論から言うと、慎氏の廃妃を主張したのだ。
それは、中宗にとって苛酷な要求だった。クーデターのときに自決をはかろうとした中宗を思いとどまらせたのが慎氏だった。
愛妻であり命の恩人である。
そんな彼女を王妃の座から引きずりおろすことなどできない。
普通なら、王の意思は絶大で、臣下がくつがえせるものではなかった。しかし、中宗の場合は事情が違った。彼はやはり高官たちに逆らうことができなかった。そこが、「祭り上げられた王」の弱さでもあった。




中宗は泣く泣く妻を離縁した。その結果、妻が王妃の座にあったのは、わずか7日間だけだった。悲しみの中で廃妃となった慎氏であったが、死後には端敬(タンギョン)王后という尊号を得ている。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

固定ページ:
1 2

3

関連記事

ピックアップ記事

必読!「悪女たちの朝鮮王朝」

本サイトには、「悪女」というジャンルの中に「悪女たちの朝鮮王朝」というコーナーがあります。ここでは、朝鮮王朝の歴史の中で政治的に暗躍した女性たちを取り上げています。
朝鮮王朝は儒教を国教にしていた関係で、社会的に男尊女卑の風潮が強かったのです。身分的には苦しい境遇に置かれた女性たちですが、その中から、自らの才覚で成り上がっていった人もいます。彼女たちは、肩書社会に生きる男性を尻目に奔放に生きていきましたが、根っからの悪女もいれば、悪女に仕向けられた女性もいました。
「悪女たちの朝鮮王朝」のコーナーでは、そんな彼女たちの物語を展開しています。

もっと韓国時代劇が面白くなる!

韓国時代劇によく登場する人物といえば、朝鮮王朝の国王であった中宗、光海君、仁祖、粛宗、英祖、正祖を中心にして、王妃、側室、王子、王女、女官などです。本サイトでは、ドラマに登場する人物をよく取り上げています。

ページ上部へ戻る