朝鮮王朝の建国!激動の朝鮮王朝史1

 

936年に朝鮮半島を統一した高麗(コリョ)王朝は、14世紀の後半でも健在だった。しかし、仏教国家の優遇策で政治的に権力を持った仏教僧侶が国政に介入して、国内が混乱していった。その中で、異民族の撃退などで頭角を現したのが武将の李成桂(イ・ソンゲ)だ。

高麗王を追放

1388年、中国大陸では元に代わって明が覇者となっていく。その明と高麗王朝が国境の領土をめぐってもめた。
高麗の王は「けしからん!」と怒り、出兵を決意したが、李成桂は「小さい国が大きい国に逆らってはいけません。それに今は若者が農作業で忙しく、梅雨の時期ですので、湿気で鉄器がさび付いてしまいます」と様々な理由をつけて反対する。それでも王は強制的に李成桂を司令官として出兵させた。
李成桂は嫌々出陣した。
鴨緑江(アムノッカン)の中州の威化島(イファド)まで来たが、梅雨の時期のために川が増水して、それ以上は渡れなくなった。迷ったあげくに彼は軍を引き返すことを決断した。




王命に逆らっているわけなので、戻っても処罰されるのは必至。そこで彼は都の開京(ケギョン/現在の開城〔ケソン〕)を攻めて、王を追放する。自分が大軍を率いていたので、それができたのである。
(ページ2に続く)

王朝の基盤を作った太宗(テジョン)!激動の朝鮮王朝史2

朝鮮王朝の三大悪女/張緑水・鄭蘭貞・張禧嬪

「悲劇の朝鮮王朝・三大世子(セジャ)」とは誰なのか?

思悼世子(サドセジャ)!米びつで餓死した王子

『七日の王妃』歴史解説!燕山君(ヨンサングン)と中宗(チュンジョン)と端敬(タンギョン)王后の運命

固定ページ:

1

2

関連記事

ピックアップ記事

必読!「悪女たちの朝鮮王朝」

本サイトには、「悪女」というジャンルの中に「悪女たちの朝鮮王朝」というコーナーがあります。ここでは、朝鮮王朝の歴史の中で政治的に暗躍した女性たちを取り上げています。
朝鮮王朝は儒教を国教にしていた関係で、社会的に男尊女卑の風潮が強かったのです。身分的には苦しい境遇に置かれた女性たちですが、その中から、自らの才覚で成り上がっていった人もいます。彼女たちは、肩書社会に生きる男性を尻目に奔放に生きていきましたが、根っからの悪女もいれば、悪女に仕向けられた女性もいました。
「悪女たちの朝鮮王朝」のコーナーでは、そんな彼女たちの物語を展開しています。

もっと韓国時代劇が面白くなる!

韓国時代劇によく登場する人物といえば、朝鮮王朝の国王であった中宗、光海君、仁祖、粛宗、英祖、正祖を中心にして、王妃、側室、王子、王女、女官などです。本サイトでは、ドラマに登場する人物をよく取り上げています。

ページ上部へ戻る