悲劇の米びつ
英祖は王命を発した。
「たったいま、世子を廃した」
それは、イ・ソンを国王の後継者にしないという宣言だった。
イ・ソンは慟哭(どうこく)した。
英祖は何度もイ・ソンに自害を促した。しかし、その覚悟がないと知ると、米びつを持ってこさせた。
「命だけは助けてください」
イ・ソンは何度も哀願したが、英祖は無視して、息子を米びつに閉じ込めさせた。
その上で、英祖は鬼の形相で米びつをにらんだ。
「絶対に米びつを開けてはならない」
そう厳しく命令して英祖は立ち去った。
彼の決意は変わらなかった。
翌日に英祖は具体的な処罰を行なった。
その処罰とは?
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英祖(ヨンジョ)と思悼世子(サドセジャ)〔第1回/老論派の陰謀〕