『王女の男』に登場する敬恵(キョンヘ)王女の生涯/中編

胸が張り裂ける思い

結局は失敗して錦成大君は死罪となってしまった。
世祖は「端宗が生きているかぎり、騒動が収まらない」と考え、ついに端宗を死に至らしめた。その悲報を敬恵王女はどんな気持ちで聞いたのであろうか。胸が張り裂ける思いであったに違いない。
ただ、どんなに悲劇が敬恵王女を襲おうとも、彼女は何が何でも生き抜かなければならなかった。お腹には新しい生命が宿っていたのだから……。
しかし、敬恵王女の妊娠を知って、世祖は異様に警戒するようになった。その末に、彼はある命令を下した。それは、「生まれてくる子が男であったなら、ただちに殺せ」というものだった。世祖は後の復讐を恐れたのだ。




しかし、その命令を知った貞熹(チョンヒ)王后は内官を読んでひそかに違う命令を発した。
「生まれた子が男だったら、こっそりと私のところに連れてきてほしい。すべての責任は私が取るから」
貞熹王后は文宗(ムンジョン)の血を後世に残したかったのだ。その可能性があるのは、もはや敬恵王女の子供しかいなかった。
だからこそ、敬恵王女の子供を殺すのが忍びなかったのである。
(後編に続く)

文=康 熙奉(カン ヒボン)

『王女の男』に登場する敬恵(キョンヘ)王女の生涯/前編

『王女の男』に登場する敬恵(キョンヘ)王女の生涯/後編

端宗(タンジョン)/朝鮮王朝おどろき国王列伝8

世祖(セジョ)/朝鮮王朝おどろき国王列伝9

文宗(ムンジョン)の不覚!朝鮮王朝の重大な事件簿8

ページ:
1 2

3

関連記事

本サイトの構成

本サイトは以下のジャンルに分類されています。
左側の上にカラーで色分けされたジャンルがありますので、それぞれにクリックして目的のジャンルにアクセスしてください。
[各ジャンルの紹介]
●日本と韓国の歴史
 ・歴史探訪
 ・韓国の歴史
 ・日韓交流史
●時代劇の主人公
●三大悪女/奇皇后
 ・朝鮮王朝三大悪女
 ・奇皇后 
●オクニョ
 ・登場人物
 ・豆事典
 ・歴史解説
 ・ドラマ解説 
●華政/イニョプの道
 ・華政/韓国時代劇
 ・イニョプの道
●朝鮮王朝人物列伝
●国王列伝/事件簿
 ・おどろき国王列伝
 ・事件簿
●歴史事典/編集部
 ・歴史事典
 ・編集部

ページ上部へ戻る