妻を冷遇した理由

太宗には、元敬（ウォンギョン）王后という妻がいた。彼女は、妻として夫を支えていた。たとえば、政敵が攻めてきたことをいち早く知らせたり、武器をあらかじめ調達しておいて、それを渡すことでクーデターを成功に導いたりしていた。
それほど仲の良さを感じさせていた２人。しかし、太宗は王として即位した後に、妻である元敬王后に冷たい態度を取るようになった。彼がそのような行動を取った理由は、朝鮮王朝の存続のために、外戚の力を制しようとしたからである。

そのため、太宗は、自分が王になる過程で貢献してくれた元敬王后の実家を、危険分子として排除した。その標的となったのが、元敬王后の兄弟で、１４１０年に２人の兄と２人の弟が処刑された。さらに、側近たちに元敬王后を廃妃にするように言われた太宗だが、息子を４人も産んだ彼女を廃妃にはしなかった。
廃妃にならずに済んだ元敬王后だが、実家を滅ぼされたことで寂しい晩年を過ごした。しかも、四男の誠寧（ソンニョン）が１４歳という若さで亡くなったことをとても悲しんだ。（ページ３に続く）

元敬〔ウォンギョン〕王后！正室として夫を支えた王妃

太宗（テジョン）が心から憎んだ神徳（シンドク）王后