イ・ビョンフン監督と言えば、韓国時代劇の巨匠としてあまりに有名だ。代表作には『宮廷女官 チャングムの誓い』『イ・サン』『トンイ』など、大ヒットドラマがずらりと並んでいる。その巨匠が満を持して作ったのが『オクニョ 運命の女(ひと)』である。イ・ビョンフン監督の信条は、どのようなものなのだろうか。
物語が重層的になる
イ・ビョンフン監督は、歴史に関して造詣(ぞうけい)が深い。たとえば、「朝鮮王朝実録」にわずか10カ所くらいしか記述がない医女のチャングム(長今)に目を付けて、この謎めいた女性を主人公にした『宮廷女官 チャングムの誓い』を制作した。それも、歴史に詳しいから可能だったのだ。
『イ・サン』の主人公にした22代王・正祖(チョンジョ)にしても、朝鮮王朝後期の名君としてあまりに有名だったが、単なる名君としてまつりあげるのではなく、常に敵対勢力から命を狙われ続けた苦難の国王として描いていた。それによって、物語が重層的になっていた。
このように、イ・ビョンフン監督にかかると、朝鮮王朝時代の歴史的人物が非常に人間味あふれる形で再現されてくる。(ページ2に続く)
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