高句麗(コグリョ)は、百済(ペクチェ)や新羅(シルラ)と並ぶ古代の大国として知られている。特に、伝統的に騎馬軍団が強く、ドラマ『太王四神記』の主人公だった広開土大王(クァンゲトデワン)が統治した時代(391~412年)には朝鮮半島の歴史の中で最大の領土を誇った。それゆえに、今でも韓国で広開土大王は圧倒的な尊敬を受けてる。
高句麗最後の英雄
広開土大王の全盛期から約200年後、高句麗の名将として活躍したのが淵蓋蘇文(ヨンゲソムン)だった。
彼はドラマ『淵蓋蘇文』で描かれたように、高句麗最後の英雄として有名だ。
生まれた年は定かではないが、幼い頃から勇敢で聡明だった。
淵蓋蘇文は、莫離支(マンニジ)という高句麗最高の官職についた祖父と父を持ち、自身もわずか15歳で後を継いだ。
若くして権力を手に入れた淵蓋蘇文の名は広く知られていくが、同時に彼に嫉妬して反発する者も増えていった。そのため、用心深かった彼は常に5本の刀を身につけて万事に備えた。
631年、高句麗王である栄留王(ヨンニュワン)は、大陸からの侵攻に備えて、西側の国境地帯に「千里の長城」と呼ばれる城の建築を始めた。
しかし、遅々として進まない工事に業を煮やした栄留王は、淵蓋蘇文を責任者として派遣した。
大役を与えられた淵蓋蘇文は、工事現場に直接出向き自ら陣頭指揮を取った。すると、今までの遅れが嘘のように工事は順調に進んでいった。(ページ2に続く)