簡潔に読む!韓国の歴史〔高句麗の滅亡(後編)〕

 

666年、高句麗(コグリョ)に衝撃が走った。なんと、救国の英雄だった淵蓋蘇文(ヨンゲソムン)が、惜しまれながら息を引き取ったのである。その瞬間が、高句麗の滅亡の始まりだった。

961B7274

一枚岩になれなかった高句麗

高句麗にとって致命傷だったのは、後継者が育っていなかったこと。淵蓋蘇文の能力はあまりにも抜きんでていたが、彼のおかした唯一の失敗は、後を継げる人材を見つけられなかったことであった。
偉大なる指導者を失った後の高句麗は、一枚岩になれなかった。実際、淵蓋蘇文の息子たちの間で莫離支の座を巡る内紛が起こり、戦意を失って亡命する者まで出始める始末だった。




多くの戦いを勝ち続けた高句麗だが、それは英雄の下で一致団結した結果であり、まとまりを欠いた時点で国の行く末は決まっていた。
668年、新羅・唐連合軍の前に宝蔵王は降伏。淵蓋蘇文が死んでわずか2年で高句麗は滅亡した。
共通の敵を倒した連合軍だが、唐が高句麗や百済の領地を支配下に置こうとしたために、両者の仲は険悪になった。
その中で、新羅は高句麗や百済の遺民たちをうまく取り込んで力を強め、なんとか唐を朝鮮半島から追い出して、朝鮮半島初の統一国家となった。(ページ2に続く)

固定ページ:

1

2 3

関連記事

ピックアップ記事

必読!「悪女たちの朝鮮王朝」

本サイトには、「悪女」というジャンルの中に「悪女たちの朝鮮王朝」というコーナーがあります。ここでは、朝鮮王朝の歴史の中で政治的に暗躍した女性たちを取り上げています。
朝鮮王朝は儒教を国教にしていた関係で、社会的に男尊女卑の風潮が強かったのです。身分的には苦しい境遇に置かれた女性たちですが、その中から、自らの才覚で成り上がっていった人もいます。彼女たちは、肩書社会に生きる男性を尻目に奔放に生きていきましたが、根っからの悪女もいれば、悪女に仕向けられた女性もいました。
「悪女たちの朝鮮王朝」のコーナーでは、そんな彼女たちの物語を展開しています。

もっと韓国時代劇が面白くなる!

韓国時代劇によく登場する人物といえば、朝鮮王朝の国王であった中宗、光海君、仁祖、粛宗、英祖、正祖を中心にして、王妃、側室、王子、王女、女官などです。本サイトでは、ドラマに登場する人物をよく取り上げています。

ページ上部へ戻る