『赤い袖先』でイ・サン(正祖)を演じたジュノ(2PM)の演技に名君の魂が宿った!

時代劇の登場人物

徹底した歴史探求から生まれた名演

韓国時代劇『赤い袖先』で、主人公の第22代国王・正祖(チョンジョ)を熱演したのが2PMのジュノである。本名であるイ・サンという名でも広く知られるこの名君を演じるにあたり、彼の没入度は尋常ではなかった。ドラマの序盤において、主人公はまだ国王ではない。祖父から王位を継ぐための正式な後継者、すなわち世孫(セソン)という立場であった。ジュノは撮影に入る前から、若き王位継承者の置かれた複雑な歴史的背景を徹底的に調べ上げた。膨大な文献を読み込み、時代考証を頭に叩き込んだのである。史実に名を残す偉大な人物を演じる重圧は大きい。だからこそ、表面的な演技に逃げず、人物の奥底にある本質を的確に把握しようと努めたのである。

悲劇の記憶と王位継承の重圧

史実におけるイ・サンの半生は、決して平坦なものではない。彼はわずか10歳のとき、取り返しのつかない悲劇に見舞われた。実の父親である思悼世子(サドセジャ)が、あろうことか米びつに監禁されて餓死させられたのである。この痛ましい事件は、幼い少年の心に消えない傷を刻み込んだ。その後、絶対的な権力を持つ祖父の第21代国王・英祖(ヨンジョ)によって、彼は正統な世孫として指名された。しかし、「未来の国王」という肩書きを得たからといって、彼の身の安全が保障されたわけではなかった。むしろ、その地位は常に風前の灯火であった。宮廷内は権謀術数が渦巻いており、彼を引きずり下ろそうとする者たちで溢れ返っていたからである。

巨大な政敵との果てしなき暗闘

若き後継者の前に立ちはだかった最大の障壁は、老論派(ノロンパ)と呼ばれる強大な政治派閥であった。彼らこそが、かつて思悼世子を死に追いやるための陰謀を企てた張本人たちである。老論派の高官や一部の王族たちは、父親の血を引くイ・サンが王位に就くことを極端に恐れていた。そのため、「罪人の息子は王になる資格がない」という理不尽な論理を掲げた。そして、あらゆる手段を使って世孫の権威を失墜させようと画策したのである。些細なミスを誇張して非難し、絶え間ない嫌がらせを行った。さらには暗殺の脅威さえ常に付きまとっていた。老論派による容赦のない迫害は、若きイ・サンを極限の緊張状態へと追い込んでいった。

抑制された感情が放つ圧倒的な存在感

四面楚歌の宮廷で生き残るため、イ・サンは自身の本心を隠して冷徹に振る舞う必要があった。この過酷な運命を背負った青年を表現するため、ジュノは感情を爆発させるのではなく、あえて「抑制する」という難しいアプローチを選択した。彼の演技からは、いつ命を狙われるかわからない世孫の張り詰めた緊張感が痛いほど伝わってくる。一見すると、それは硬すぎる演技に見えるかもしれない。しかし、それは違う。強烈な自己統制の裏側にこそ、人間としての脆さや深い愛情が隠されているのだ。わずかな視線の揺れや声のトーンの変化で、イ・サンの複雑な内面を見事に浮かび上がらせた。この繊細極まりない表現力こそが、作品に類まれな深みを与えた。結果として『赤い袖先』は大成功を収め、ジュノの高度な演技力は絶賛を浴びることとなった。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

画像=MBC

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