端敬(タンギョン)王后を廃妃にした中宗(チュンジョン)

 

燕山君(ヨンサングン)を廃位にするためのクーデターで中心的な役割を担ったのが朴元宗(パク・ウォンジョン)という高官でした。彼には、燕山君に仕返しをしなければならない怨みがありました。




怨みを買いすぎた王

朴元宗の姉は、9代王・成宗(ソンジョン/燕山君の父)の兄にあたる月山大君(ウォルサンデグン)に嫁いでいましたが、この姉を燕山君が犯してしまい、彼女は自決してしまいました。
月山大君といえば燕山君にとって伯父にあたるわけで、その妻を犯すというのはあまりに非道です。それほど燕山君は常軌を逸していました。
朴元宗が中心となってクーデターを起こします。燕山君は多くの人の怨みを買っていますから、彼を守ろうという人はほとんどいません。クーデター軍が王宮にやってくると、護衛兵はみんな逃げてしまいました。
中には、あまりにあわてて逃げて便所に落ちた人までいた、と「朝鮮王朝実録」に書いてあります。
ただし、いくらひどい王でも追放するとなると大義名分が必要になります。そこでクーデター軍がかつぎあげたのが、燕山君の異母弟の晋城大君(チンソンデグン)です。彼も燕山君から相当にいじめられていました。




晋城大君の協力をとりつけようとしてクーデター軍が彼の屋敷に行ったところ、本人は「兄がついに殺しにきた」と早とちりして自決しようとしました。妻が必死に止めた結果、何とか事なきを得ました。
(ページ2に続く)

中宗(チュンジョン)が離縁した端敬(タンギョン)王后の悲しき人生!

『七日の王妃』歴史解説!燕山君(ヨンサングン)と中宗(チュンジョン)と端敬(タンギョン)王后の運命

朝鮮王朝の中宗(チュンジョン)はどんな国王だったのか

中宗(チュンジョン)はなぜ文定(ムンジョン)王后の悪行を止めなかった?

中宗(チュンジョン)!重臣に頭の上がらない王

固定ページ:

1

2 3

関連記事

ピックアップ記事

必読!「悪女たちの朝鮮王朝」

本サイトには、「悪女」というジャンルの中に「悪女たちの朝鮮王朝」というコーナーがあります。ここでは、朝鮮王朝の歴史の中で政治的に暗躍した女性たちを取り上げています。
朝鮮王朝は儒教を国教にしていた関係で、社会的に男尊女卑の風潮が強かったのです。身分的には苦しい境遇に置かれた女性たちですが、その中から、自らの才覚で成り上がっていった人もいます。彼女たちは、肩書社会に生きる男性を尻目に奔放に生きていきましたが、根っからの悪女もいれば、悪女に仕向けられた女性もいました。
「悪女たちの朝鮮王朝」のコーナーでは、そんな彼女たちの物語を展開しています。

もっと韓国時代劇が面白くなる!

韓国時代劇によく登場する人物といえば、朝鮮王朝の国王であった中宗、光海君、仁祖、粛宗、英祖、正祖を中心にして、王妃、側室、王子、王女、女官などです。本サイトでは、ドラマに登場する人物をよく取り上げています。

ページ上部へ戻る