朝鮮王朝で王や世子が結婚する前になぜ禁婚令が出たのか

 

朝鮮王朝では、王や世子が結婚する時期を迎えたら、まず、王家に嫁を出せる身分(貴族階級ともいえる両班〔ヤンバン〕がほとんど)の家に対して「禁婚令」が出され、若い娘の結婚が禁じられました。




敬遠された理由

なぜ、良家に禁婚令が出されたのでしょうか。
それは、良家の娘を全国から選んで嫁に迎えるという意思を鮮明にするためでした。
ただし、実際に対象とする年齢にはばらつきがありました。世子は10歳前後に結婚することが多かったので、禁婚令が出されたのは、通常なら8歳から12歳までの娘に対してでした。
また、王の場合は初婚にしても再婚にしても10代の娘を嫁にしましたので、実際に禁婚の対象となったのは10代の娘だけでした。
このように禁婚令を出したうえで、良家に対しては結婚適齢期を迎えている娘の有無を自己申告させました。そうした書類を審査したうえで、面接試験に呼ぶ娘を選んでいったのです。
ただし、朝鮮王朝の歴史を見ると、王家に嫁を出したばかりに実家が没落してしまった例がいくつもあります。




それは、王家の相続問題などのとばっちりを受けた結果です。
それゆえ、王家に嫁を出すことを敬遠したいと考える両班もいました。実際、娘の存在を素直に自己申告しない家もかなりあったと言われています。

構成=「歴史カン・ヒボン」編集部

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