興味深い宮女たちの生活
やがて、イ・ビョンフン監督は出生も人物像も謎に包まれている長今を主役にしたドラマを作りたいと思うようになった。
こうして誕生したのが『宮廷女官 チャングムの誓い』である。
長今を現代に蘇らせたイ・ビョンフン監督は、彼女の生い立ちから性格まで大胆な想像を加えた。
それが物語前半で繰り広げられる水刺間(スラッカン)の女官としての料理人の時代だ。もちろん長今が水刺間で働いたという史実はない。
朝鮮王朝では日本の「大奥」に該当する部署を「内命婦(ネミョンブ)」といい、洗濯をする部署から食事の調理をする部署まで、組織が細かく分かれていた。
各部署で仕事をする女官を内人(ネイン)と呼び、内人を統括する女官を尚宮(サングン)と言った。イ・ビョンフン監督は、「医女の長今がもし内命婦の出身だったら……」という斬新な仮定で解釈し、興味深い宮女たちの生活も含めながら、長今の人物像を豊かに描き出していた。
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