主張は平行線
仁穆王后には異存がなかった。
綾陽君の即位を認めるつもりだった。
しかし、一つだけ条件を付けた。
それは、つかまえた光海君を斬首にするということだった。
綾陽君はうなずくわけにはいかなかった。
いくら廃位にしたとはいえ、先の王を斬首にすれば、綾陽君が歴史に汚名を残すのは明らかだった。
それでも、仁穆王后は強硬に言った。
「かならず光海君の首をはねてみせる」
しかし、綾陽君はやんわりと断り続けた。
「仮にも王であった人の首をはねるわけにはまいりませぬ」
仁穆王后と綾陽君のそれぞれの主張は平行線をたどった。
とはいえ、綾陽君は最後まで斬首に反対した。
(ページ3に続く)
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