光海君(クァンヘグン)への恨みを晴らした仁祖(インジョ)の復讐劇!

暗愚な国王

周囲が不穏になっていたのに、光海君は迂闊(うかつ)だった。よもやクーデターが起きるとは思っていなかったのだ。
1623年3月13日の明け方、綾陽君に率いられたクーデター軍は、内通者の協力を得て王宮の中に侵入した。
本来なら万全の守りを固めているはずの護衛兵たちも、クーデター軍に抵抗しなかった。それほど内通者たちは巧みに味方を増やしていた。
虚をつかれた光海君は、わずかなお供を連れて逃げるしかなかった。しかし、綾陽君はそれを見抜いていて、光海君はすぐに捕らえられた。




こうしてクーデターは計画どおりに成功した。綾陽君は亡き父と弟の恨みをしっかりと晴らしたのである。
光海君は流罪となり、綾陽君が16代王の仁祖(インジョ)として即位した。
その仁祖だが、クーデターを成功させるまでは卓越した戦略性と優れた統率力を持っていたのに、いざ王になると別人のように振る舞い、凡庸な政治しかできなかった。
彼の才能は、光海君に対する恨みを晴らした時点でほぼ枯渇したのである。以後の彼は、暗愚な国王として朝鮮王朝を危機にさらした。

文=康 熙奉(カン ヒボン)
記事提供:「朝鮮王朝オッテヨ」

光海君(クァンヘグン)!暴君の汚名から名君へと評価が一変した国王

光海君(クァンヘグン)と仁穆(インモク)王后はなぜ激しく対立したのか

仁祖〔インジョ〕/朝鮮王朝おどろき国王列伝3

光海君(クァンヘグン)を廃位にした仁祖(インジョ)に正当性はあるのか

人質から帰った昭顕(ソヒョン)世子を仁祖(インジョ)はどう迎えた?

固定ページ:
1

2

関連記事

ピックアップ記事

必読!「悪女たちの朝鮮王朝」

本サイトには、「悪女」というジャンルの中に「悪女たちの朝鮮王朝」というコーナーがあります。ここでは、朝鮮王朝の歴史の中で政治的に暗躍した女性たちを取り上げています。
朝鮮王朝は儒教を国教にしていた関係で、社会的に男尊女卑の風潮が強かったのです。身分的には苦しい境遇に置かれた女性たちですが、その中から、自らの才覚で成り上がっていった人もいます。彼女たちは、肩書社会に生きる男性を尻目に奔放に生きていきましたが、根っからの悪女もいれば、悪女に仕向けられた女性もいました。
「悪女たちの朝鮮王朝」のコーナーでは、そんな彼女たちの物語を展開しています。

もっと韓国時代劇が面白くなる!

韓国時代劇によく登場する人物といえば、朝鮮王朝の国王であった中宗、光海君、仁祖、粛宗、英祖、正祖を中心にして、王妃、側室、王子、王女、女官などです。本サイトでは、ドラマに登場する人物をよく取り上げています。

ページ上部へ戻る