落ち込む中宗
高官たちは中宗に対して、「妻の端敬(タンギョン)王后を離縁してほしい」と迫ります。
理由は、端敬王后が燕山君の妻の姪であり、父親も燕山君の側近だったからです。このように、端敬王后の親戚には燕山君と関係が深い人が多かったのです。
中宗は承服できません。
「勘違いして自決しようとしたときに助けてくれた愛妻と、なぜ別れなければいけないのか」
そんな心境だったことでしょう。
中宗は国王なのですから、臣下が何を言ってきてもつっぱねればよかったのです。ところが、中宗は気が弱いというかはっきりしない性格で、最後は端敬王后の廃妃に同意してしまいます。
それでも中宗はメソメソするばかりです。
王宮の高い場所に立ち、端敬王后が住むあたりを見ては、ため息をついていました。そのことが都で噂になり、端敬王后の耳にも入ります。
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