チャングムが象徴する医女の制度はどのように誕生したのか

康熙奉(カン・ヒボン)著『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』(実業之日本社発行/2018年11月2日発売)

医女になりたい女性がいない

朝鮮王朝の宮廷では数多くの女性が働いていたが、医女はその中の職種の一つにすぎなかった。
もともと、宮廷内での医女の制度が始まったのは15世紀の初期。生活上で男女が交わることを戒める儒教の影響で、女性はたとえ病気になっても男性の医師から診察を受けるのは好ましくなかった。




そこで、医学的知識を持った医女の存在が必要になった。
現代で言えば医師は社会的なエリートだが、当時の朝鮮王朝では医女を志願する女性は皆無だった。
上流階級はもちろん、庶民の間でも医女になりたい人はいなかった。仕方がないので、各地の奴婢(最下層の身分)の中から頭のいい女性を選抜して漢方や鍼灸(しんきゅう)の知識を学ばせた。
それでも医女の地位は低かった。
(ページ3に続く)

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