非道なクーデターだった癸酉靖難(ケユジョンナン)とは何か

1453年の出来事

屈強な武臣たちを従わせる首陽大君に端宗は抗うことができず、怯えながら首陽大君の手を取り、「殺さないでください」と懇願した。こうして首陽大君は、端宗から実質的な王権を奪い取った。
次の幕は粛清劇である。
端宗の王命で、高官たちが次々に王宮に呼ばれた。その中で、首陽大君に味方しないと見られた人たちが無残に殺害された。




首陽大君は、実の弟の安平大君(アンピョンデグン)も容赦しなかった。政権を奪おうとした罪を問い、安平大君の官職を剥奪したうえで、江華島(カンファド)に流罪にしてしまった。
首陽大君は多くの人間を抹殺したうえで一気に最大の権力を得た。この出来事は、癸酉(ケユ)の年(1453年)に起きたことから「癸酉靖難(ケユジョンナン)」と呼ばれている。
この「靖難」とは、国難を平定したという意味である。
しかし、実際には首陽大君による反逆であり、朝鮮王朝の歴史を汚す非道なクーデターであった。

首陽大君(スヤンテグン)〔世祖(セジョ)〕が開いた秘密会議!

甥の端宗(タンジョン)から王位を奪った世祖(セジョ)の悲劇とは?

端宗(タンジョン)から王位を奪った世祖(セジョ)!朝鮮王朝全史5

世祖(セジョ)/朝鮮王朝おどろき国王列伝9

固定ページ:
1

2

関連記事

ピックアップ記事

必読!「悪女たちの朝鮮王朝」

本サイトには、「悪女」というジャンルの中に「悪女たちの朝鮮王朝」というコーナーがあります。ここでは、朝鮮王朝の歴史の中で政治的に暗躍した女性たちを取り上げています。
朝鮮王朝は儒教を国教にしていた関係で、社会的に男尊女卑の風潮が強かったのです。身分的には苦しい境遇に置かれた女性たちですが、その中から、自らの才覚で成り上がっていった人もいます。彼女たちは、肩書社会に生きる男性を尻目に奔放に生きていきましたが、根っからの悪女もいれば、悪女に仕向けられた女性もいました。
「悪女たちの朝鮮王朝」のコーナーでは、そんな彼女たちの物語を展開しています。

もっと韓国時代劇が面白くなる!

韓国時代劇によく登場する人物といえば、朝鮮王朝の国王であった中宗、光海君、仁祖、粛宗、英祖、正祖を中心にして、王妃、側室、王子、王女、女官などです。本サイトでは、ドラマに登場する人物をよく取り上げています。

ページ上部へ戻る