『宮廷女官 チャングムの誓い』は、朝鮮王朝の11代王・中宗(チュンジョン)の統治時代に医女として活躍したチャングム(長今)が主人公になっていた。このチャングムは、中宗の最期まで診察と看病を続けていた。
中宗の病状
「朝鮮王朝実録」は朝鮮王朝の正式な歴史書だが、その中には中宗の「余の病状は医女(チャングム)が知っている」という言葉も載っている。チャングムは中宗に本当に信頼されていたのだ。
その「朝鮮王朝実録」にはチャングムの記述が10カ所ほど出てくるが、彼女の名が最後に登場したのは1544年10月29日だ。
「朝鮮王朝実録」では、次のように書かれている。
朝、医女のチャングムが内殿から出てきて言った。
「殿下がやっと便が通じて、とても気分がいいとおっしゃっておられます」
その後、(王は)薬房にこう指示されました。
「今、余の便通はいつもどおりだが、気力がまだ弱い。今、提調(チェジョ/役職名)、医員、医女の全員が来ているが、もう医員は宿直をやめて、提調も各自解散して帰っていい」
すると、提調がこう答えた。
「便通がいつもと同様とお聞きし、臣下の者たちはうれしいかぎりです。もしのどが渇くときは、生地黄(根の一種で解熱作用に優れている)を煎じて飲んだほうがよろしいでしょう。普段のようにお水を飲んではいけません。また、格別に養生されることをお勧めいたします」
以上が「朝鮮王朝実録」の記述だ。(ページ2に続く)
中宗(チュンジョン)はなぜ文定(ムンジョン)王后の悪行を止めなかった?