勢道政治という悪政
邪魔者を徹底的に排除して一族の力を強化した貞純王后。そんな彼女でも、政敵だった金祖淳(キム・ジョスン)の娘と純祖の結婚を阻止できなかった。
金祖淳は貞純王后と敵対しながらも、「辛酉迫害」を生き延びた1人だった。そして、純祖が14歳になり貞純王后が代理の政治責任者から退くと、金祖純の一族が政治を牛耳るようになった。つまり、安東(アンドン)・金氏(キムシ)の勢道政治(王の外戚が中心になって行なう政治)が始まったのだ(安東は金祖純一族の始祖の出身地である)。
引退した貞純王后は1年後に死んでしまい、中心人物を失った一派は自然と没落していった。
国王の義父となった金祖淳は、一族の繁栄に力を注ぎ、政敵は容赦なく処罰していった。こうして安東・金氏一族は王朝の要職をすべて独占するようになった。それは王である純祖に深い恐怖を与えていく。
「彼らは強い権力をもってしまった……。この状況を打破するために、どのようにしたらいいのか」
純祖は安東・金氏を牽制しようとしたのだが、思うような成果をあげられなかった。
朝鮮王朝は混乱するばかりだった。これは、政治を担った大臣たちが国を正しい方向へ導こうとするより、強い権力を求めて党争に明け暮れた結果であった。
その被害を最も受けたのが庶民であり、彼らはたまらずに反乱を起こした。(ページ3に続く)
イ・ヨン(孝明世子〔ヒョミョンセジャ〕)の父の純祖(スンジョ)は誰?
イ・ヨン(孝明世子〔ヒョミョンセジャ〕)はどんな人だったのか?
正祖(チョンジョ)の宿敵だった貞純(チョンスン)王后/悪女たちの朝鮮王朝2