イ・ヨン(孝明世子〔ヒョミョンセジャ〕)の父の純祖(スンジョ)は誰?

『雲が描いた月明り』についても紹介している『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』(康熙奉〔カン・ヒボン〕著/実業之日本社発行)

無策だったわけではない

貞純王后が1805年に世を去り、15歳になった純祖はようやく親政を開始したのだが、王として不甲斐ない立場にならざるをえなかった。正妻の純元(スヌォン)王后の実家である安東(アンドン)・金氏の一族によって、政治の主導権を取られてしまったからである。
純元王后の父は金祖淳(キム・ジョスン)。野心家の彼は国王の岳父としての立場を利用して、次々に一族の者たちを要職につけていった。




このように、国王の外戚が権力を持つことを「勢道(セド)政治」と呼ぶが、朝鮮王朝で一番この政治を行なったのが安東・金氏であった。
純祖は歯がゆくて仕方がなかった。しかし、彼は自ら主導権を奪うほどの強い意志を持っていなかった。
それでも、まったく無策だったわけではない。純祖は安東・金氏の横暴を抑えるために、10歳の長男であった孝明(ヒョミョン)世子の妻に豊壌(プンヤン)・趙(チョ)氏の娘を迎えた。
(ページ3に続く)

イ・ヨン(孝明世子〔ヒョミョンセジャ〕)はどんな人だったのか?

孝明世子(ヒョミョンセジャ/名はイ・ヨン)に代表される「世子」とは何か?

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朝鮮王朝おもしろ人物列伝(孝明〔ヒョミョン〕世子編)

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