奇皇后と善徳女王はどこが違っていたのか

民衆のための政治

高麗王朝の末期に元の皇后になった奇皇后と新羅の女王である善徳女王は、育った時代も当時の政治状況もまったく違うのだが、奇皇后が善徳女王以来、久々に政治の中枢を担った女性であることは間違いない。
何といっても、高麗王朝は元の干渉を強く受けていて、まったく逆らえない政治情勢だった。その元の皇后であるだけに、奇皇后が高麗王朝にも絶大な影響力を行使できるのも当然のことであった。




ただ、奇皇后には民に慕われる人望がなかった。
たとえば、善徳女王は民から大いに信頼され、その人望を国家運営の基盤にすることができた。
一方の奇皇后は、自分たちの一族で政治を独占しようとした。しかも、横暴な振る舞いは官僚や庶民の反発を買った。
つまり、「民衆のための政治」という面で、善徳女王と奇皇后は決定的に違った。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

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奇皇后とはいったいどんな女性だったのか

奇皇后を生んだ奇氏一族とは何か?

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