哀れな最期
慶華王妃が元の名家出身だったこともあり、この出来事は大問題となり、忠恵王は再び廃位にさせられた。
さらに、彼は罪人として元に連行されてしまった。
忠恵王には重い処罰が下されるはずだったのだが、彼は元で勃発した大規模な内乱を利用して、元から逃亡した。
そして、再び高麗王朝の王に復位した。
しかし、度重なる不祥事を起こす王を誰も認めなかった。
結局、忠恵王は1343年に完全に王位を剥奪されて配流となり、流刑地に向かう道程で息絶えた。
なんとも、哀れな最期であった。
確かに、復位と廃位を繰り返す姿はドラマ『奇皇后』の中のワン・ユとよく似ている。しかし、ワン・ユは確固たる意志をもって復位を目指したのであり、その点では史実の忠恵王とはまったく違っていた。
文=慎 虎俊(シン ホジュン)
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