前向きに時代劇に取り組む
時代劇の撮影は、楽しみばかりではない。歴史的に、過酷な身分制度や理不尽な政治などが強烈に描かれる。
俳優としても制約を大いに受けてしまうのだが、その点をハ・ジウォンは後ろ向きに捉えていない。
「時代劇に出演すると、その当時にいかに制約が多かったかを思い知らされます。だからこそ、描き方が切なくなったり、もっとドラマチックになったりするのでしょう」
こう語るハ・ジウォンにとって、『奇皇后』は時代劇の新しい代表作になった。彼女は運命に抗うことができなかった奇皇后の人生をしっかり受け止め、前向きに生きていく姿を堂々と演じた。
「与えられた役柄そのものの人生を歩んでみたいと思えることが大切です」
「作品のために学んで努力する。簡単なことではありませんが、私は一生続けていきます。女優として必要なことですし、その過程に喜びを感じます」
こうした言葉を胸に秘めてハ・ジウォンは『奇皇后』ですばらしい演技を見せた。
これからも彼女は、時代に翻弄されながら自らの意思で力強く生きていった歴史的女性を演じていくことだろう。
<ハ・ジウォンの主な作品>
ドラマ『チェオクの剣』(2003年)
ドラマ『バリでの出来事』(2004年)
映画『デュエリスト』(2005年)
ドラマ『ファン・ジニ』(2006年)
映画『私の愛、私のそばに』(2009年)
ドラマ『シークレット・ガーデン』(2010年)
ドラマ『キング~Two Hearts』(2012年)
ドラマ『奇皇后』(2013年)
映画『命がけの恋愛』(2016年)
文=康 熙奉(カン ヒボン)