韓国で『奇皇后』が大ヒットしたとき、その理由としてよく挙げられたのが「ハ・ジウォンがすばらしかった」という称賛だった。彼女の主演でなければ『奇皇后』があれほどの作品になったかどうか。それほどハ・ジウォンは『奇皇后』で存在感を示した。
『チェオクの剣』で大ブレーク
ハ・ジウォンが最初に日本の韓流ファンに強烈な印象を残したのがドラマ『チェオクの剣』だった。制作は2003年でハ・ジウォンが25歳のときの主演作である。
この『チェオクの剣』の原題は『茶母(タモ)』だった。茶母とは、朝鮮王朝時代の隠密的な女刑事のこと。ドラマではハ・ジウォンが演じる女刑事のチェオクが、派手なアクションで縦横無尽の活躍をしたり、ハラハラするような恋のバトルを繰り広げたりしていた。
本来のハ・ジウォンは、映画でもドラマでも現代劇では今どきの女性らしさを明るく演じきるのだが、『チェオクの剣』では、抑圧された時代に合わせて繊細で迫真の表情を披露していた。
『チェオクの剣』に主演した2003年に、ハ・ジウォンはMBC演技大賞で最優秀賞、人気賞、ベストカップル賞を受賞。賞を独り占めにして話題をさらった。
そんな彼女が、さらなる頂上をめざして飛躍したのが『ファン・ジニ』(2006年)の主演だった。(ページ2に続く)