朝鮮(チョソン)王朝は1392年に建国されて1910年まで続いた。なんと518年に及ぶ長い王朝で、日本でいえば室町時代から明治時代まで存続した。なぜこれほど長期にわたって政権を維持できたのか。
典型的な中央集権国家
長い王朝を維持できた要因はいくつかあるが、大きいのは早期に王権を確立できたことだ。初代王から4代王までの約50年間に王朝の基盤が整備され、王の権限が朝鮮半島の隅々まで行き渡る制度が機能するようになった。これが安定的な内政につながったのである。
また、統治のための官僚制度が中央から地方に至るまで組織化されたことも有利だった。王朝にとって一番恐いのは地方豪族の反乱だったのだが、この点でも官僚制度が有効に機能して内乱の芽がつまれていった。(ページ2に続く)