鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)は、11代王・中宗(チュンジョン)の三番目の正妻だった文定(ムンジョン)王后の側近だ。王宮内で暗躍した手先であり、ドラマ『女人天下』の主人公のモデルになっている。
野望をかなえるために
鄭蘭貞の生い立ちを見ると、母が奴婢で本人も同じ身分を強要された。
彼女は、同じ奴婢ならば妓生(キーセン)になって、少しでも貧しい暮らしから抜け出す方法を探ろうとした。
鄭蘭貞は両班(ヤンバン)たちの宴席に出かけながら、いつも自分を引き立ててくれそうな男を探していた。目を付けたのが尹元衡(ユン・ウォニョン)だった。
彼の姉は文定王后である。その引き立てもあって、尹元衡は出世街道をひた走っていた。鄭蘭貞は尹元衡に接近し、まんまと妾になった。
そうなると、次にやることは決まっている。文定王后に近づいたのだ。妓生の身であれば、王妃のそばに寄れないのだが、尹元衡に何度も懇願して、どうにか文定王后へのお目通りを許された。(ページ2に続く)
粛宗(スクチョン)に愛された張禧嬪(チャン・ヒビン)/悪女たちの朝鮮王朝2