安平大君(アンピョンデグン)と首陽大君(スヤンデグン)の対立の結末は?

 

非情な兄

首陽大君側は安平大君が金宗瑞の側近を通じて北方の武器を密かに都へ運んでいるという噂を流した。
果たして、これは事実だろうか。
もしも安平大君が反逆を企んでいて、金宗瑞ら大臣たちがそれに同調していたとしたら、ことは簡単だったはずだ。すでに権力を掌握している彼らだけに、首陽大君を含む反対勢力を除去するのも難しいことではなかったのだ。
つまり、首陽大君側はあらぬ噂を広めようとしただけだった。
それよりも、安平大君と金宗瑞が迂闊(うかつ)だったのは、「首陽大君が父である世宗の意思にそむいて甥の端宗から王位を奪う」とは考えていなかったことだ。
しかし、現実は違った。
首陽大君は1453年にクーデターを起こして、金宗瑞と同調する大臣たちを排除した。その上で、安平大君を反逆の首謀者に仕立てあげた。




結局、安平大君は流罪にされた末に死罪となった。
無情にも弟の安平大君の命を奪った首陽大君。彼が甥の端宗を退位させて自ら王になったのは、安平大君が世を去って2年後のことだった。

甥の端宗(タンジョン)から王位を奪った世祖(セジョ)の悲劇とは?

『不滅の恋人』のイ・ガンのモデルは首陽大君(スヤンデグン/世祖〔セジョ〕)!

首陽大君(スヤンテグン)〔世祖(セジョ)〕が開いた秘密会議!

世祖(セジョ)の非道!朝鮮王朝の重大な事件簿2

世祖(セジョ)!甥から王位を奪った国王

固定ページ:
1 2

3

関連記事

ピックアップ記事

必読!「悪女たちの朝鮮王朝」

本サイトには、「悪女」というジャンルの中に「悪女たちの朝鮮王朝」というコーナーがあります。ここでは、朝鮮王朝の歴史の中で政治的に暗躍した女性たちを取り上げています。
朝鮮王朝は儒教を国教にしていた関係で、社会的に男尊女卑の風潮が強かったのです。身分的には苦しい境遇に置かれた女性たちですが、その中から、自らの才覚で成り上がっていった人もいます。彼女たちは、肩書社会に生きる男性を尻目に奔放に生きていきましたが、根っからの悪女もいれば、悪女に仕向けられた女性もいました。
「悪女たちの朝鮮王朝」のコーナーでは、そんな彼女たちの物語を展開しています。

もっと韓国時代劇が面白くなる!

韓国時代劇によく登場する人物といえば、朝鮮王朝の国王であった中宗、光海君、仁祖、粛宗、英祖、正祖を中心にして、王妃、側室、王子、王女、女官などです。本サイトでは、ドラマに登場する人物をよく取り上げています。

ページ上部へ戻る