偉大な文字
訓民正音は、発音するときの口や喉の形をもとに作られた28個の基本記号の組み合わせからなり、あらゆる言葉を文字にすることができた。
公布は1446年。「朝鮮王朝実録」に登場してから実に3年もの期間を要している。新しい文字に反対する勢力との暗闘は、創製後も続いていたのである。
しかし、誕生しても訓民正音はあまり評価されなかった。
特権階級は自分たちの既得権を守るために訓民正音の普及を妨害。庶民に広く伝わらなかった。
訓民正音が“ハングル(偉大な文字)”と呼ばれて広く使われるようになったのは、19世紀の末からだった。以来、世宗はその功績が評価され、“朝鮮王朝最高の名君”と讃えられるようになった。
世宗が時代劇で本格的に取り上げられたのが2008年に制作の『大王世宗』。訓民正音の創製過程も興味深く描かれていた。
劇中、世宗は人間の喉の形をした模型を作り、発音時の動きを率先して研究していた。まさに、文化的にも“偉大な王”というイメージにピッタリだった。
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