念願をかなえた張禧嬪
粛宗には、いつになっても男子が生まれなかった。それだけに、1688年、側室の張禧嬪(チャン・ヒビン)が長男を産むととても喜び、その子を宝のように可愛がった。しかし、このことが後の朝鮮王朝の党派争いを激しくする要因となった。
張禧嬪は、朝鮮王朝三大悪女として名前を残した女性だ。
初めは一介の宮女にすぎなかった。幼い頃に不遇の生活を送り、自身の権力欲のためならば、なりふり構わなかった。そんな張禧嬪は美しい容姿で粛宗を惑わせ、最後には側室の座を得た。
「何もなかった私が、こんなにも美しい服を着て豪華な生活ができる。でも、私はまだ数多い側室の1人にすぎない。どうにかして正室の座を手に入れなければ」
張禧嬪は、正室ながら子供がいない仁顕(イニョン)王后を目のかたきにしていた。様々な策を弄して粛宗の気を引き、ついには粛宗の子を産んだのである。こうなると、側室ながら立場が強くなる。張禧嬪は高飛車になり、ついには仁顕王后を失脚させることに成功した。
あわれな正妻は庶民に格下げされた後、宮中から追い出された。こうして張禧嬪は念願の正室になった。
文=慎 虎俊(シン ホジュン)
『テバク』の中盤では粛宗(スクチョン)の後継者争いが描かれる!
粛宗(スクチョン)に愛された張禧嬪(チャン・ヒビン)/悪女たちの朝鮮王朝5