イ・ヨン(孝明世子)が主役の『雲が描いた月明り』は史実とどう違う?

『雲が描いた月明り』についても紹介している『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』(康熙奉〔カン・ヒボン〕著/実業之日本社発行)

キム・ホンのモデルは誰?

イ・ヨンの生母である純元王后は、安東(アンドン)・金(キム)氏という一族を政治の中枢に就かせることに成功した王妃で、大変な実力者でもあった。特に純元王后の父親は金祖淳(キム・ジョスン)と言って、自分の娘が王妃であることを利用して政治の主導権を握った人物である。




『雲が描いた月明り』にも領議政(ヨンイジョン)としてキム・ホンという人物が出てくるが、この人物のモデルは明らかに金祖淳である。ドラマの中では、王以上に強い権力を持っていたが、金祖淳の場合も歴史的にその通りだった。その点では史実とドラマが合っていたと言えるだろう。
『雲が描いた月明り』には、イ・ヨンの結婚相手として趙萬永(チョ・マニョン)の娘が登場してくるが、彼女は実在した人物であり、イ・ヨンがまさに結婚した相手である。
純祖としては、安東・金氏の一族の力が強くなりすぎたので、対抗勢力として趙萬永を引き立てようとした。そうした思惑の中で、イ・ヨンは実際に趙萬永の娘と結婚したのである。
(ページ3に続く)

イ・ヨン(孝明世子)の惜しまれる世子人生!

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