宮中でやりたい放題
燕山君の側室となった張緑水は、宮中でさまざまな無礼を働いた。
王家の女性たちは「妓生あがりは下品すぎる」と眉をひそめるが、張緑水は「上品ぶっても人間はひとかわむけばみんな下品」とばかりに悟りきった表情で屈託がない。さらに、張緑水をつけあがらせていたのが、暴政を行なう燕山君という存在だった。
とにかく、王室が乱れに乱れた。張緑水を寵愛する燕山君は毎晩のように酒宴を開き、酒池肉林を繰り返した。
王の威光を利用して、張緑水も宮中でやりたい放題だった。倉庫の財宝を勝手に自分の家に運んだり、王家が抱える金で自分の派手な装身具をつくったりした。側近が止めるのも聞かず、張緑水は国家の富を私物化したのである。
燕山君と張緑水の浪費によって、朝鮮王朝は破産に近い状態となった。すると、燕山君は民衆に高い税金をかけ、高官たちの資産も没収しようとした。
王を陰で動かす悪女として、張緑水は激しい憎悪を浴びるようになった。(ページ3に続く)
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