朝鮮王朝では厳しい身分制度が維持された。身分が違うと、着る服装から食卓のおかずの数まで違っていた。そんな身分制度によって、人々は序列をつけられたのだ。もちろん、今の韓国に身分制度は残っていないが、「序列」という意識は強烈に残ってしまった。韓国社会を一言で言えば、典型的な「序列社会」なのである。そんな現実の源流を知るために、朝鮮王朝時代の身分制度を振り返ってみよう。
朝鮮王朝の亡霊
王族は身分制度を超越する存在であったので別格と考えれば、朝鮮王朝時代の身分制度の最上位は両班(ヤンバン)であった。
両班は、先祖から恩恵を受けて生まれた人たちで、大地主の貴族階級と考えればわかりやすい。
ただし、高い官職は科挙に合格しなければ得られないので、両班の家に生まれたといっても安泰ではない。両班の子弟は、小さい頃から猛勉強を義務づけられていたのだ。そういう傾向が、現代韓国の学歴社会に結びついている。
518年間という長寿を誇った朝鮮王朝は、亡霊のように現代韓国に様々な影響を及ぼしている。(ページ2に続く)