昭顕世子の動向が歪められた
昭顕世子と姜氏は、祖国を愛する気持ちが強かった。それなのに、2人の姿が仁祖には歪められて伝えられた。つまり、世子にふさわしくないほど外国にかぶれてしまったというわけだ。
実は、歪めて伝えた張本人が、仁祖の側近の金自点(キム・ジャジョム)であり、もう1人が仁祖の側室の趙氏(チョシ)だった。
特に、姜氏と趙氏はもともと仲がとても悪かった。そういうこともあり、金自点と趙氏は捏造のように変な噂を流したりした。
「世子が瀋陽では王のようにふるまっている」
そんな話は仁祖の耳にも届いた。
彼は憤慨した。清にかならず復讐をしたいと憎んでいたのに、こともあろうに世子が清の文化に取り込まれてしまうとは……。
もはや仁祖からすれば、世子夫婦は裏切り者だった。(ページ4に続く)
仁祖(インジョ)はなぜ昭顕(ソヒョン)世子の一家を滅ぼしたのか