あやうく自害しそうになった
絵画だけではなく、申師任堂は幼い頃から儒教の経典や有名な詩人たちの詩集を好んで読み、素晴らしい詩をいくつも世に残した。
1522年、18歳になった彼女は、李元秀(イ・ウォンス)と結婚した。
夫婦は4男3女を授かった。
夫がお金に無頓着だったこともあり、申師任堂はいつも質素倹約に努めた。しかし、自分の生活が辛くなろうとも、子供の教育に心血を注いだ。
その結果、三男の李珥(イ・イ)が朝鮮王朝の儒学者の中で最も有名な1人にまで成長したのである。
やがて、夫の李元秀が科挙の試験勉強に専念するために、家を出て行った。しかし、彼はすぐに諦めて帰宅してしまった。
申師任堂は、裁縫用のハサミを取り出すと、「あなたが夢を簡単に諦めるのなら、私は命を絶ちます!」と言って、自害しようとした。
妻の崇高な気持ちに気付いた李元秀は、大いに反省し、今度は科挙に合格するまで家に帰ってこなかった。(ページ4に続く)
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