英祖(ヨンジョ)は朝鮮王朝の国王で一番の長寿だった

時代劇の登場人物
『ヘチ 王座への道』ではチョン・イルが英祖を演じた
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朝鮮王朝における27人の王たちの平均寿命は、わずか46歳であった。王という重責に押し潰されるような日々は過酷を極め、「人生50年」と言われた寿命にすら届かぬ国王も多かった。日夜、政務に心を削られ、宮廷内の権謀術数にさらされる中で、静かに命を燃やしていった彼らの人生には、どこか哀しげな光が差している。

英祖が思悼世子を米びつに閉じ込めた瞬間とは?

そんな中で、まばゆいまでの存在感を放つのが、21代王・英祖(ヨンジョ)である。彼は82歳という長寿を保ったのみならず、在位期間も51年と最長であった。まさに「王朝の礎」と呼ぶにふさわしい人物である。

『ヘチ 王座への道』ではチョン・イルが英祖を演じた

以下は、長命を誇った王たちのランキングである。
〔長生きした王〕
順位    王名     年齢   生没年
1位 21代王・英祖    82歳 (1694年~1776年)
2位 初代王・李成桂    73歳 (1335年~1408年)
3位 26代王・高宗    67歳 (1852年~1919年)
4位 15代王・光海君   66歳 (1575年~1641年)
5位 2代王・定宗     62歳 (1357年~1419年)
英祖の治世が始まったのは1724年、王宮の中では派閥抗争が激化し、政治の混乱が頂点に達していた時代である。だが英祖は、各派閥から公平に人材を登用し、政に中庸をもたらそうと腐心した。その柔らかくも芯のある統治姿勢は、まるで乱れた水面に一筋の光を通すような、静かな感動をもたらした。結果として、彼の在位中、朝鮮王朝の政治は安定していた。
しかし、その英祖にも暗い影がある。息子である思悼世子(サドセジャ)を米びつに閉じ込め餓死させたという悲劇が、彼の人生に深い傷跡を残した。この事件は、どれほど名君と称されようとも、決して消えることのない汚点である。
朝鮮王朝の王たちの短くも濃密な人生……その中で英祖は、光と影を併せ持ちながら王としての道を歩んだ。彼の姿は、王であることの宿命の重さと、それを超えようとする人間の意志の美しさを物語っている。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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